【書評】「草食系」社員のためのお手軽キャリアマネジメント(著:沢渡あまね)

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「キャリアアップ」という言葉に対して、どういったイメージをお持ちだろうか。

「バリバリ」「ガツガツ」といった、どことなく「肉食系」なイメージを持つ方が多いのではないだろうか。

本書では、「バリバリ」「ガツガツ」しない、「草食系」タイプの人でもキャリアアップできる、キャリアアップしていこう、と提案されている。

そのために著者が提案するのは「自分資産運用型のキャリアマネジメント」だ。

「自分資産」(=経験やスキル)を「引き出し」や「部品」に分解して、それを組み合わせることで、いかに楽をして成果やキャリアアップにつなげていくか、を考えていく。

キャリアの用語を、製造業の職場での用語に例えた説明は、案外見かけないものだ。そういった業界の経験がある方には、理解しやすいのではないだろうか。

自分自身を「部品の集まり」として見ることで、足りない部分も「部品」としてイメージできる。

自分の「部品」を増やすだけでなく、他人の「部品」も借りて新しいこと進めていく。職場での用語に例えるならば、「内製」か「外注」かという話だ。

また、「キャリアデザイン」から、「キャリアマネジメント」へのシフトを提案する。キャリアデザインでは、希望を軸にデザインして、あとは受け身になってしまうこともある。自らマネジメントして活動していこう、という思いが込められている。

資産運用と重ね合わせた説明には、好き嫌いもあるかもしれない。ピンとこない方は、長期的に少しずつ、できることを増やしておこう、という理解で問題ないだろう。

過去の経験にこだわることに否定的な感情を持つ方もいるかもしれない。

本書のような手法で、自身の経験の棚卸と整理を行い、「部品化」することで、否定ばかりではなく、認められる経験が意外とあることに気づくのではないだろうか。

「ガツガツ」していない草食系の方でも、体力の衰えや環境の変化への対応は求められる。

長期的な成果は「コツコツ」から得られる。お手軽に始められるキャリアマネジメントを、今日からやってみてはいかがだろうか。

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