【書評】ブリーフセラピー入門(編:日本ブリーフサイコセラピー学会)

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多様なアプローチからなる、ブリーフセラピーの基本と各種手法、現場ごとでの利用法を詳しく解説した本。要点を網羅的に紹介している上、各種手法ごとに参考文献が記載されているので、教科書的な使い方もできる。

ミルトン・エリクソンの手法から出発し、数多くの手法を有することから、どのような現場においても、何かしらすぐに活用できそうな手法があるのが、ブリーフセラピーの面白いところ。現在の対人支援の土台ともなっている、無知の姿勢や解決志向、円環的因果論などもブリーフセラピーから生まれてきたとも言われており、簡潔に背景を知りたい方にもおすすめ。

概要を流し読みした後は、その時ごとに必要な部分を読み込んでいくと良さそうだ。小さいことでもいいからとにかくこの1回のセッションで何か改善したい、そんな状況はキャリアコンサルティングの現場でもよくあるのではないだろうか。本書に目を通してみると、1回のセッションでも状況を前向きに好転できる可能性がいくらでもあるように感じられる。対人支援のスキルをステップアップさせるヒントとして、長く手元に置いておきたい本である。

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