【書評】好きなことで70歳まで働こう!(著:西山昭彦)

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定年後もいきいきと働く60歳以上の方々の実態を調査し、様々なケースを紹介している。出版は2012年と10年近く前だが、各章のタイトルが「70歳まで働くと、こんなにいいことがある」「70歳まで働くために、45歳からやっておくべきこと」と、近年の法改正を先取りしたかのような内容である。

11人の事例が紹介され、分野の継続性と雇用形態の2軸から、4つのタイプに分類して紹介されている。決して初めからうまく行った事例ばかりではなく、現実的なケースが多く取り上げられている。

また事例を踏まえて、今後の戦略についても指南されている。45歳時点でサラリーマンであることが想定されており、まずは現在のサラリーマンという身分を生かして準備を進めましょう、というスタンス。いきなりの早期退職は勧められていない。管理職ポストから外れ、個人での成果と、手のかからない気持ちいい先輩を目指す。非常に小さな一歩に見えるが、これだけでも、後半の人生を幸せに生きていくことができる。そこから、起業を想定する際に必要な行動が順次まとめられている。

取得しておくと有利な資格も紹介されており、社会保険労務士(社労士)、宅地建物取引主任者(宅建)、第三種電気主任技術者(電験3種)に加え、焼酎アドバイザーがあげられているのが、興味深い。あくまで自分が興味のある分野について、資格という形で見える化しておくことが望ましいようだ。

文庫で軽く読める内容だが、基本的なことが網羅されている。セカンドキャリアを考える手始めの一冊として、参考にしていただきたい。

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