【書評】斎藤一人 令和の成功(著:斎藤一人)

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全国高額納税者番付に何度もランクインした、斎藤一人氏の著書。毎年のように新作が発行され、最近では共著も多い。どの本を紹介するか迷うところだが、比較的ビジネス寄りのエピソードが多いと思われる本書を取り上げた。

成功に近づく生き方のコツが、非常にシンプルに述べられており、言ってしまえば、道徳の教科書のような内容。しかし、実業家としての成功が、彼の著書の価値を高めている。彼の推薦書として、D.カーネギーの著書が挙げられていることからも、ビジネス系の王道であることは間違いない。

おすすめのポイントとしては、なんと言っても、読みやすいこと。インタビューの書き起こしと思われるスタイルであり、著者の独特の語り口に乗って、あっという間に読み進めることができる。

本書では、成功の秘訣を取り上げており、そのポイントは3つ。「簡単」「楽しい」「もっともっと」。ごもっともだと思う方もいれば、そうは言ってもと思われる方もいるだろう。その辺りも抜かりなくフォローされているので、気になる方はぜひ読んでみていただきたい。

著者の他の本と同様、身内のエピソードや、商売していることを前提としたトピックが多い。それに違和感を感じなければ、より幸せな人生を送るためのエッセンスが、最小限の表現でまとめられており、おすすめできる。同分野の定番書である、D.カーネギーや、S.R.コヴィーの著書は、エピソードの量も多く、時代背景の面で理解しにくい部分もあるのではないだろうか。そちらで挫折した方には、一度手に取ってみていただきたい本である。

最後に、著者の出版物は多く、ものによっては宗教書やスピリチュアルな見た目のものもある。ただ、著者自身は、特定の信仰をしてはいないようだ(無宗教というわけではなく、一般的な日本人と同じ程度の宗教観)。どの本も、語りをそのまま起こした形式なので、見ようによっては、キャリアカウンセリングと近しいと言えなくもない。試しにご一読を。

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