【書評】新版 キャリアの心理学【第二版】(著:渡辺三枝子)

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キャリア支援における理論家たちを、その理論や生い立ちとともに紹介。

試験によく出るという噂もあるが、どちらかというと、研究者的な目線でキャリア理論を理解したい方におすすめの本である。

試験によく出る?パーソンズやスーパーはもちろん、ホールやサビカスも取り上げられており、近年のキャリアカウンセリング業界で注目されている理論について、きっちりと学ぶことができる。引用文献もしっかりしており、理論の理解を深め、研究に進む方にも十分活用できる。

特徴として、各理論家の生い立ちについて紙面が割かれているため、各理論家がどのようにその理論にたどりついたのか、イメージを持ちやすい。

研究家の人間味溢れるエピソードを知ることで、机上だけの理論ではなく、血の通った技能として身につけることができそうだ。

キャリア理論は人と関わる理論であり、理論と実践が繋がっているということを、ある種体感できる。

それぞれの個性を活かしてまとめられているからか、結果的に、理論家によって表の形式などが異なっているが、それもそれぞれの理論の特徴を表しているとも言える。

気になる用語、理論を調べるために開くと、ついそのまま読み進めてしまう。学術書としての丁寧さと、読み物としての面白さを兼ね備えた良書だ。

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